会社売却を考える目的や理由は、企業の経営者が事業を推進するという希望よりも大きな不安に悩まされることにあります。良い経営状態が続くのか、従業員の生活を守れるのかといった自社の将来性に不安を感じるためです。
M&Aは企業同士の合併や買収をいいます。たとえば、買収企業が会社の支配権を獲得し吸収したり、傘下に収めたりする合併や買収企業が過半数の株式を取得して支配権を移行させる買収があります。
会社売買は、全ての株式を買収企業に譲渡して、事業の継承は行わずに会社を受け渡すことを言います。会社売買を法律上で裏づけるのは、株式譲渡を基本にしているか否かによります。
会社売却を行う方法は、まず専門会社と契約を結び、自社を診断して、買い手企業を探します。次に、買い手企業と交渉して内容を精査し、売買契約を結びます。経営者は会社を高く売りたいのですが、会社を高く売るタイミングは、自分の会社が属している業界の上場企業の株価が高いときが目安になります。
会社売却に必要な費用や相場は、大手の会社の場合には着手金500万円といったところが多いですが、中小の会社の場合には着手金が無料で成功報酬のみ5%といった価格の場合もあります。現在は、売り手市場の傾向にあって、良い案件さえあれば買いたい企業は多いです。少し前までは後継者の問題で会社売却が行なわれていましたが、最近は経営者の資産を形成するといった側面もあります。
経営者が会社売却を決心して専門会社と契約しても、すぐに売却できる訳ではありません。すぐに買い手企業が探せることもありますが、直ぐに契約するのはおすすめできません。買い手企業を探す前に、まずは専門会社と一緒に自社の業績内容を整理したほうが良い結果を残すことができます。特に、自分の会社の業績が悪化している場合には、業績内容を精査して整理することが会社を売却させるコツになります。
会社売却の手続きを自分の会社だけで行うのはほぼ不可能です。だから、一般的には専門会社と契約することになります。依頼する専門会社によって、自社の売却価格は高くなったり、安くなったりしますが、とにもかくにも会社売却の手続きの経験が豊富で信頼できる会社を選ぶことが大切です。次に依頼した専門会社と一緒に、自社の価値はいくらくらいかや適切な取引手法は何かといった自社の診断を行います。
専門会社と一緒に、自分の会社に興味を持っている買い手企業を探します。どのような企業と交渉をするかで大きく左右され、売却金額も変わってきます。会社売却を成功させるためには、売却する会社が欲しいと願っている買い手企業を探してくることが要点となります。買い手企業が決まったら、交渉し精査します。
会社売却の精査が終わり合意に達したら、最終契約書を締結します。契約を締結して問題が生じなければ株式の売買を行います。実際に資金が動くのはこの段階で、これらの全てが終了すると会社売却の手続きが成立します。このような契約の成立後に、売り手関係者に対する告知が行われます。